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マジカル☆ステッキ

第3章 アリサとヨシヒロ



「それに魔王退治は、ひとりじゃできないんだから。アンタわかってんの?」


 アリサは肉の刺さったホークをヨシヒロに突き出し、言い終わるやそれをほうばる。

 ジューシな肉汁がひろがり、思わず笑みがこぼれてしまいそうになる。


 アリサたちは今度こそ看板を確認してやや豪華な昼食をとっていた。

 魔王退治加盟店は、カードでの支払いが出来る便利さはあるが、お値段が可愛くなかった。

 学生時代にあまり活躍できなかった二人の貯金はけして多くはない。

 旅費は節約せねばならない。


 しかし、チカラを使い切ったアリサは落ちこぼれレベルにまで戻る。

 アリサの魔力がなければヨシヒロも同様だ。

 現金払いのできる店は安い傾向にあるが、二人は所持金も少なかった。

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