無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　大抵の冒険者は、入り口付近にある馬車屋を利用して城まで行くのだが、乗合馬車は一人10ゴールドも必要なのだ。

　登城の義務があるのは勇者だけ。
　アリサはお金をケチる意味もあって、ヨシヒロ一人に行かせるつもりである。

「一人でなんて無理だよ」

「あんた、大人になっても変わんないわね」

「うぅ、お願いアリサ」


　アリサはついて行く義務はないが、義理はある。
　彼を説得し、一人で向かわせる動力を考えれば、歩いて行ったほうが早いのではないかと思わせる。