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マジカル☆ステッキ

第4章 精霊ルークス



 爵位を持つ貴族なら個人の馬車を所有している。
 馬車には家紋がついていて、城へはフリーパスで入れる。

 貴族がわざわざ乗り合いの馬車を利用するのは、馬車を自由に使えないほどの者か、船で来た他国の貴族たちである。

 どちらにせよ、いちゃもんをつける貴族はたいした人物ではなさそうだ。


「お前たちは後から乗ればいいだろ」

「しかしオルスタン様。勇者専用車は一台しかございません。どうかこの者達にご慈悲を」

 ────勇者専用車?

 アリサの双眼がピカーンと光る。
 おそらく勇者だけが(仲間たちも含め)乗ることが出来る馬車であることは間違いない。
 そして、それが存在するということは城まで勇者は簡単に入れる馬車ではないか、と。

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