マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
「無礼者、我が名を知っていてそのような口をよく叩けるものだな」
「乗り合い亭主が叩ける程度の人物なだけでしょ」
「あ? なんだと!?」
「わあぁ、アリサ何いってんの!」
困っている人をさらに困らせる程度の器。
アリサのもっともキライとするタイプの貴族だ。
アリサの口に驚いたのはヨシヒロだけではなく、乗り合い亭主も同様だった。
もっとも勇者ハヤトたちは、面倒をさらにややこしくさせたアリサに対して落胆を見せる。
「そんなに一緒に乗りたくないのなら、アナタ方が後から乗ればいいじゃない」
早く勇者専用車に乗せろと言わんばかりに、あとから来たくせにアリサは悪態をつく。