マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
「なに?」
オルスタンの疑問にいち早く動いたのは、図体のいい男。動きがにぶそうな割にアリサたちの行く手を阻み馬車の前へと出る。
チっと、アリサは舌打ちをする。
貴族といえどこの国の多くは殆どのものが貴族であり、その影響力はピンキリであった。
アリサの言った通り、乗合馬車の亭主が相席を促せる程度の貴族であるのは間違いない。
そして、名のある優秀な貴族なら国立魔法学院へと進路を取るのが一般的であって、私立魔法学園の生徒はお金で入る学園として有名だ。
もちろん優秀な生徒も中にはいるだろうが、堂々と私立学園であることを威張り、平民相手にムキになるところを見ると程度は知れる。