マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
「この者たちの身柄は拘束して、警備兵を呼ぶほうが得策でしょう」
メガネをクイッと上げ、青年はアリサの目論見をたやすく回避する。
マズイ────オルスタンなら騙せたが、冷静な仲間がいたらしい。
警備兵を呼ばれたら面倒、どうあがいても厳重注意はま逃れない。
時間のロスは、どれだけアリサが口でオルスタンを打ち負かしても結果負けも同然。
それなら最初から勇者ハヤトの言うように、一般の馬車に乗ればよかったという敗北だ。
彼らまで巻き込んで戦いに敗れては、アリサは申し訳ないでは許されない罪を背負うことなる。
「そうかしら? こんなことで警備兵を呼べば器の小さい男として一生出世できないわよ?」