マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
「ちょ、アリサ。さすがに言いすぎだよ」
アリサの挑発に水を差すヨシヒロ。
こちらが弱気な態度を取れば、相手への揺さぶりは効果を持たなくなる。
アリサは、そんなヨシヒロに嘆息をもらす。
「ヨシヒロ。勇者なんだからもっと堂々としてなさい」
「は? こいつが勇者?」
見てくれからして弱々しく、アリサの後ろでオロオロしていては言われても仕方ない。
「あははっ、冗談がきついぜ。魔王退治どころか村の警備すら出来そうにないのに、勇者だと?」
街の行きゆく人たちが振り向くほど、オルスタンは大声であざ笑い、ヨシヒロを馬鹿にした。
「お安い勇者だな。公立学校ではこんなのでも勇者になれるのかよ」