マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
「おとなしくこの場を去ったほうが身のためだぞ? この喧騒では、警備兵が来るのも時間の問題だ」
結局のところ、勇者ハヤトにとっても警備兵を呼ばれれば面倒なのは変わりない。
それならいっそ立ち去ってくれたほうが楽である。
「何も知らぬ田舎者が、確かに“人”であればおれが罪にとらわれるだろう。だがな魔物退治をするのは勇者のつとめ、それの何が悪い」
「あんたの言うことが正しいとしても、そんなの証拠にもならないわよ? 馬鹿なの?」
「……お前も少しはおとなしくしろ。これ以上、挑発をするな」
本当に斬られるぞ、と勇者ハヤトはうんざりした表情をこぼしアリサに言い放つ。