マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
本当に魔物なの?
魔物が人の姿になれるわけないでしょ。
でも、魔王は人の姿をしているよ。
どよめきのなか、街の人々もざわつく。
「髪の色はともかく、あの黒緋色の瞳は人とは思えないな」
────これが勇者のチカラ。
どうしょうもない馬鹿な奴だと思ったが、勇者オルスタンには人の心に信じ込ませる言霊を放つことができるようだ。
「とんでもないスキルね。このままではわたしたちのほうが不利だわ」
「えっ、アリサ。どうするの!?」
「さんざん迷惑かけておいて、いまさら謝ってもゆるさないわよ!」
バディ子は正論を唱える。
もちろん、許してくれないのはバディ子だけではなく、オルスタンも同じだろう。