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マジカル☆ステッキ

第4章 精霊ルークス




「その言葉、俺にたいしてのあてつけか?」

 どよめきく人混みの中から現れたのは、これまた世界では珍しい黒い髪に漆黒の瞳の持ち主。

 しかし彼に向けられる声は黄色いものだった。
 そして疑心に満ちた人々の心は、彼の登場により溶けてしまった。


「一般的でないと言う理由でひとに剣を向けるとは感心しないな」

「……ラックワード、様」

 顔面は蒼白し血の気が引いていくのが、傍から見てもわかるほど。

 怒りのすえの興奮、突如として現れた男に対して状況の判断はできているものの、オルスタンは突きつけた剣を収めることができない。

 確実に現行犯である。

 それでも動揺して動けずにいたオルスタンは、抵抗の意志はないものとして握った剣を地面に落とすのが精一杯だった。

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