テキストサイズ

マジカル☆ステッキ

第4章 精霊ルークス



「でも意外なのは、それだけ口が達者なのにどうして魔物扱いされても怒らなかったの?」

 人類にとっては魔物とは害虫であり、暴れるしか脳のない下等生物である。

 それ同等の扱いは、平民を見下すことよりもたちが悪い。

「不思議に思うことでもないわ。人と違うってだけで差別されることなんてよくあることだもの」

「平民扱いされて怒ったのに?」

 貴族というだけで威張る相手に立ち向かうアリサが、魔物扱いされて反論しなかったことにバディ子は疑問を持ちアリサの返答は矛盾している、と。

「魔物だから馬車に乗せないって言われたら反論したわよ? でも魔物だから退治するのは勇者なら当然だし」

 ますますバディ子は首を傾げる。
 アリサの境界線がいまいちわからないからだ。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ