マジカル☆ステッキ
第4章 精霊ルークス
緊張でそれどころではないと思っていたアリサだが、どうやらヨシヒロに聞こえていたようだ。
「忙しいお方ですから、ゆっくりとお茶を飲むのが久しぶりなのでしょう」
「ああ、なるほど……」
アリサの言葉を簡単に納得し、ヨシヒロは再び自分の世界に入ってゆく。
緊張しているのか余裕なのか、わかりにくい少年であるとアリサは苦笑いを見せた。
「信頼されてるんだね、いい勇者を見つけたなアリサ」
「見つけたわけじゃないわ、たまたま隣にいただけよ」
「そうですよラックワードさん。ボクがアリサに一緒に冒険をしてくれって頼んだんです。ボク、ずっとアリサのことが好きだったから」
「へへっ」と、照れながら誰も聞いてない情報までも暴露するヨシヒロ。