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eme

第1章 漂流

話しているうちに、市場を抜けた三人。
次の案内場所に向かう。

5メートルほどの半円型の橋を渡る時、
エメはふと下を見る。
綺麗な川がそよそよと流れている。
海につながっているのだろう。

エメにはいい街に見える。この時までは。

「安定はしたけれど……領主様の性格がね」

三人が着いた場所。
そこには、なにもなかった。
50メートル四方ほどあるその土地に、
あるのは散乱した建物の跡。

その区画だけ、家もなく、
地面には大きくえぐれた跡。

その回りには立て札が刺してある。

エメは表札を読んだ。

「この土地に立ち入ることを禁ず……領主」

「領主様が変わったころ、領主様のやり方に反発したひと達がいたんだけど、
ここにはそれをまとめてた人のお家があったの」

「なるほど。……美しくないな」

領主の家の方向を見上げると、
やはりここからでもゴーレムが見える。

(どこからでも見える、ということは
どこでも狙える、ということだな。)


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