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第2章 故郷

「いただきます」

「いただきます」

夕食は、何かを丸めただんごと、貝がカラごと入ったスープ。
それとパンのような物だった。

「料理、上手だな」

「え?」
彼女は頬を赤らめる。

「美味しいよ」

「ありがとー」

エメがスープの具を食べる際に、不穏な音が聞こえる。
ガリガリ…ゴリッゴリッゴリッ

笑顔のミーシャが驚いた表情になり、
スプーンが止まる。
「ちょっとまさか」

「ん?」

「貝のカラ……食べてるの?」

「ああ。食べてる」

「それは食べるものじゃありませんっ! 」

「そうなのか?僕は好きだけど」

「今までどんな食事をしてきたのよー」
ミーシャがうなだれる。
そして、エメのスープ皿を覗きこんだ。
「カラ全部たべてるし」

「すまない」

それでも美味しそうに食べるエメに、
ミーシャに笑みがこぼれる。

エメはそれに気づいた。
「……嬉しそうだな」

「そんなことありませんー」

食事を終え、片付け終わった頃には
他の家の灯りが半分ほど消えていた。

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