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eme

第2章 故郷

―――コンコン

「起きてる?」
ミーシャの声。

「ああ」
布団に入り、横になったまま返事をするエメ。

ガチャ……

エメが状態を起こし、「どうした?」と問う。
窓から入る青い月明かり。
ミーシャを見て、寝間着姿にエメは少し動揺する。
首元にリボン。半袖、短パンの、少しひらひらとしたかわいらしいデザイン。
よく似合っていた。
しかし動揺は隠す。

「一緒に、寝ちゃ……駄目かな」

動揺がさらに押し寄せる。
だが、彼女は泣いていた。
よく見えないが、エメはそう感じた。

(……弱いな、こういうのは)

「いいよ、おいで」
もう一度横になり、布団を中からめくるエメ。

「ありがとう」
ゆっくりと、足から布団に入るミーシャ。

自然とエメの腕に
ミーシャの頭がのる。

エメはそっとミーシャを抱き寄せる。
ふわりといい香りがする。

「大丈夫? 」

「大丈夫。」

夜が二人にそうさせるのか、話し声は
二人ともゆっくりと、静かだ。

「昼、さ」
エメがミーシャの頭の上で話す。
「ミーシャはなんでもないって、言ったけど」

「……うん」

「……寂しいんだろ」

「……うん」

エメがミーシャの頭をゆっくり撫でる。

「そういうのは、言っていい」

「……迷惑じゃない?」

「全然」

「……ありがと」

ミーシャが何かに気づき、顔を真っ赤に染める。
彼の男の子が、正直に硬くなり、当たっていた。

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