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第4章 変革の代償

明くる日、エメはミーシャとレブロの家に行く。

「こんにちは」

レブロは家の入り口に椅子を置き、そこに腰をかけていた。
「おやおや、誰かと思えばミーシャじゃないか。エメくんも一緒か」

「どうも」

「ゴーレムの調子はよいよ、お陰様でな」

ミーシャが一歩前に出る。
「レブロさん、私、巨人さんに会いに来たの」

レブロは当然だと言わんばかりに返事をする。
「ほっほっほ。そうかそうか。久しぶりじゃからのう」

「昔、遊んでもらったきりだったから」

レブロは椅子に座ったまま、手を水平に前に出す。
「まだこーんなじゃったからの。裏庭で薪を割っておるよ。行ってみたらいい」

「ありがと!」

その時、家の中から重い足音が近づく。
「ヴォ」
こちらから行くまでもなく、薪を割り終えたゴーレムはレブロの元へ来た。

「おお、いいたいみんぐじゃ」

「巨人さん久しぶり!!うわー、ホントに綺麗に治ってる!」

ゴーレムはしばらくミーシャを見たあと、裏庭に戻って行った。

「……あら、やっぱり、わかんないよね」

無理もない。10年近くの時間の中で、ミーシャはすっかり大人の女性になっていた。
ミーシャは悲しそうな顔をする。

「ミーシャよ、悲しむでない。それはミーシャが綺麗になったからじゃよう」

レブロは心配そうにしている。

「ううん、大丈夫。ありがとレブロさん」

なぜか、エメは黙ってうなずいていた。

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