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eme

第4章 変革の代償

「じゃ、帰ろっか」

ミーシャはやはり寂しそうにしている。
エメは返事をしない。

「エメ?」

「……帰ってきた」

「え?」

家の中から再び重い足音が近づき、ゴーレムが出てきた。そしてその手には―――花で作った冠。

「ヴォ」

ゴーレムはミーシャにそれを渡した。
そのとたんに、ミーシャの目に涙が浮かんだ。

「……これ……。なんだ、わかってるんじゃない」

その冠は、
ミーシャには幼き頃の思い出だった。

―――【ね、巨人さん。これ作れる?】―――

ミーシャは涙をポロポロと落とした。
「一緒に遊んだ時に、一緒に作ったの……花の飾り」

「ヴォ」

「ありがと、覚えててくれて」

「ヴォ」

ミーシャはゴーレムをだきしめた。

レブロはゆっくり、椅子をゆらす。


エメは、先生の話を思い出していたー

【エメ、ゴーレムと人はどうあるべきか。私は、私の美しさを追求している】

エメはミーシャとゴーレムをみて、その関係の
美しさにまた、感動している。

(先生はやはり正しい。僕もこの感動が正しいと思います)

「……美しいな」

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