eme
第4章 変革の代償
二人がエメを見送って間もなく、それは来た。
馬車が一台、その後ろに荷台を引いていた。
馬車から領主が見ている。
荷台には、犬のようなゴーレムが7体と箱のようなもの。
馬車から降りてきたのは、小柄な男。
それを見たミーシャはゴーレムの後ろに隠れた。
レブロがいつもの椅子から腰を上げる。
「おや、領主様。ミーシャの件はまだ先のはずじゃ。今日はどういったご用件で?」
レブロの問いに小柄な男が答える。
「ふふふ、少々事情が変わりましてね。今日、ミーシャ殿を預かりに来ました」
「そんな、急ではございませんか」
「事情が変わったといいました。さあ、来てくださいミーシャ殿」
ミーシャは震えていた。巨人ゴーレムがミーシャを庇うように立ちはだかる。
巨人ゴーレムがレブロを見る。
レブロはため息をつく。
「……好きにせい」
「ヴォ」
巨人のゴーレムがファイティングポーズを取る。
「やれやれ、わからない人たちですね」
荷台から犬型ゴーレムが降りてくるなり、
勢い良く巨人に襲い掛かった。
巨人ゴーレムに食らいつくが、凪ぎ払う。
粉々になる犬型ゴーレム。
激しい戦いの中、レブロは座り直し椅子を揺らす。
一匹、また一匹と犬型ゴーレムが負けていく。
「あなた、ただじゃすまないですよ?」
小柄な男がレブロに言う。
「さあ、わしは戦えなんて命令しちゃおらんでの」
カカカと笑うレブロ。
その時、レブロと小柄な男の足下に犬型ゴーレムの頭が転がってくる。
犬型ゴーレムは、一匹たりとも形をとどめていなかった。
噛まれたあとを残し、立ちはだかるゴーレム。
その刹那、大きな音と爆風。
その場にいた全員がうわっと顔を隠した。
ただ一人、領主を除いては。
荷台にあった箱は大砲だったのだ。
土煙が晴れた時には、巨人ゴーレムは下半身だけになっていた。
巨人ゴーレムの後ろには、まるで被害はなかった。
呆然とするレブロを残し、ミーシャは手をひかれ
つれていかれる。
ミーシャも、抵抗はしなかった。
下半身だけ残った巨人に、勝てない。それだけが大きく残ったのだ。
馬車の前に立たされた、その時――――
馬車が一台、その後ろに荷台を引いていた。
馬車から領主が見ている。
荷台には、犬のようなゴーレムが7体と箱のようなもの。
馬車から降りてきたのは、小柄な男。
それを見たミーシャはゴーレムの後ろに隠れた。
レブロがいつもの椅子から腰を上げる。
「おや、領主様。ミーシャの件はまだ先のはずじゃ。今日はどういったご用件で?」
レブロの問いに小柄な男が答える。
「ふふふ、少々事情が変わりましてね。今日、ミーシャ殿を預かりに来ました」
「そんな、急ではございませんか」
「事情が変わったといいました。さあ、来てくださいミーシャ殿」
ミーシャは震えていた。巨人ゴーレムがミーシャを庇うように立ちはだかる。
巨人ゴーレムがレブロを見る。
レブロはため息をつく。
「……好きにせい」
「ヴォ」
巨人のゴーレムがファイティングポーズを取る。
「やれやれ、わからない人たちですね」
荷台から犬型ゴーレムが降りてくるなり、
勢い良く巨人に襲い掛かった。
巨人ゴーレムに食らいつくが、凪ぎ払う。
粉々になる犬型ゴーレム。
激しい戦いの中、レブロは座り直し椅子を揺らす。
一匹、また一匹と犬型ゴーレムが負けていく。
「あなた、ただじゃすまないですよ?」
小柄な男がレブロに言う。
「さあ、わしは戦えなんて命令しちゃおらんでの」
カカカと笑うレブロ。
その時、レブロと小柄な男の足下に犬型ゴーレムの頭が転がってくる。
犬型ゴーレムは、一匹たりとも形をとどめていなかった。
噛まれたあとを残し、立ちはだかるゴーレム。
その刹那、大きな音と爆風。
その場にいた全員がうわっと顔を隠した。
ただ一人、領主を除いては。
荷台にあった箱は大砲だったのだ。
土煙が晴れた時には、巨人ゴーレムは下半身だけになっていた。
巨人ゴーレムの後ろには、まるで被害はなかった。
呆然とするレブロを残し、ミーシャは手をひかれ
つれていかれる。
ミーシャも、抵抗はしなかった。
下半身だけ残った巨人に、勝てない。それだけが大きく残ったのだ。
馬車の前に立たされた、その時――――