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eme

第1章 漂流

「ごはんおいしかった。ありがとう」

「お粗末様でした」

「ピムをこっちに連れてきてくれないか」

「いいけど……どうしたの?」

「僕の荷物、あるかな」

「荷物なら君の後ろの棚にあるわよ」

「ありがとう」

エメはバックから
小さなカンをとりだし、ペンのようなものを取り出した。

そして自分の手のひらに何かを書き込み、
ピムにあてる。

何かを言っているようだが、ミーシャには
何を言っているかわからなかった。

______その刹那。ピムが光る。

うわっと声をあげ、
目のまえを手でふさぐミーシャ。

「よし。これで元通りだ」

ピムは新品同様になり、明らかに右手も治っている。

もっもっもっ

「すごい……今のって……」

「僕はゴーレム技術者なんだ。
まだまだだけど。
これくらいわけないよ」

もっもっもっ

驚いた表情から一転、ミーシャの瞳は涙でいっぱいになる。

駆け寄り、ピムを抱き締める。

「すごい……すごいよ!!この街の技術者は
誰もピムを治せなかった!
買い換え時だって……うぅ……
良かったね……ピム」

次にミーシャはエメに抱きつく。

「ありがとう……ありがとう!」

ふくよかな胸があたる。

照れくさそうにエメは言った。

「看病と食事のお礼にはなったかな」

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