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すきってきもち

第1章 デアイ






ふらふらしてる女性を
遠目で見かけた

なんだか危なかっしくて見てられなくて
近づいたら、、勢いよくぶつかる始末

その衝撃と同じタイミングで
あの人に似た香りがふわり


「ごめんなさい、私がキョロキョロしてたから……
おケガないですか?」


女性はすぐさま謝ってくれた

ふらついてたのを気づいてた俺が
気を付ければ良かったと後悔


おケガないですか?大丈夫ですか?
と不安気に聞かれたから

大丈夫ですって答えようと
顔を合わせようとしたら

「だいじょ……ぶ、、、っ!!」





.




_________百合さん!?

「百合さんだよね?覚えてる?」



香りが本物だとはさすがに思わなかった

ずっと待ち焦がれて止まなかった
たった1回1時間のお客さん

でも、俺にとっては
お客さんを飛び越えて
もっと近づきたい人になっていた


あの日から四捨五入すれば1ヶ月
ずっと待っていたのに


「レイさんっ!」

百合さんは目を大きくして驚いてる
覚えてくれてたんだ

「どうしたの?泣きそうな顔して、大丈夫?」
「はは、迷子になっちゃったの
それよりレイさんは本当にケガしてない?」


「ん?大丈夫だよ」
「なら良かった」

安堵の表情を見せてから
ふふふと柔らかく笑う

「ふふ、可愛いね」
「なにが?」

「全体的に?」
「的に?」

きょとん顔、
驚いた顔、
不思議顔、
笑った顔、
慌てた顔、


もっと彼女を知りたい……





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