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すきってきもち

第1章 デアイ






「てか、迷子ってここら辺あんま来ないの?」

「恥ずかしながら、方向音痴なんだ」

「どこ行くの?案内しようか?」
「え"!いやいや大丈夫!!」

「遠慮しなくていいのに」

も、もちろん遠慮はありますよ!?
でも、場所が場所なので……

なかなか口にしにくい場所


「そ、それよりレイさんは何してるの?」
「休みだからブラブラしてた
だーかーら、暇なんだ、案内させてよ」

ね?、と首をコテんって傾げる仕草で
とびきり可愛いレイさんに負けそうになる

気をまぎらわすつもりだったんだけどな


彼の優しさはどこから来るの?

私なんかほっといてくれて構わないのに
お客だからって言うなら
余計、放置してくれればいいのに

申し訳ないな

「百合さん、、時間大丈夫?」

その言葉にすぐ腕時計を確認する
あと、20分……
また場所調べてダッシュすれば
間に合うかも……迷わなければ……

仕事で失敗するのは怖い
なぜならみんなに迷惑かけてしまう


「ゆーりーさん、今日のところは
俺に任せるのが堅実じゃない?」

正論にぐうの音も出ない

けど、やっぱり、
場所が……

もう勢い任せに書類を見せる

「あー、、ここか……分かった」
携帯で時間を確認して

笑顔を向ける
「でも、ちょっと急ごうか」


書類やらノートパソコンやら
肩が凝る要素しかない私のバックを持って
くれて、『はぐれないようにね』右手を
ぎゅっと繋いで先を歩いてくれる





「歩くの速くない?大丈夫?」
「全然平気」


体感で10分位歩いた頃

「もう着くよ」

「ネットで確認した看板!」
「あってる?」

「はいっ、よかった、ありがとう」




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