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すきってきもち

第1章 デアイ






私の耳元に唇が触れる
"百合さん"

その囁きにからだの力が抜けて
溶けそう


グッと重みがかかったと思ったら
私が見上げている先にレイさん

もうよく分からない何でこうなってるのか
私がどうしたらいいのか
ただ、彼の視線に耐えられなくて
顔を逸らした

「何で逸らすの?」
「そ、それは……」

「声震えてる、俺のこと恐い?」

少し上から降ってくる

こわいのかな?
でも何に対して?レイさん?この状況?


私、緊張してる、、、
自覚すると後は
鼓動がはやくなったり、体温が上昇したり
頭がふわふわしてることにも気づかされる

「わかんな……ぃ」
頼りない自分の声
やだ、こんな所見られたくない
こんな弱々しいところ

やだ、やだ、見ないで……
「いやぁ、やだ……ぁ」


ほとんど力の残ってない腕で
顔を隠すけど
「俺もやだ、見たい百合さんのこと」
レイさんに簡単に避けられる

「ゃ……」



「見ちゃやだ……」

やだやだやだ
何も考えられなく自分が
何もできない自分が
こんな自分をレイさんに見られてるのが



一番嫌なのは
見てなくても感じる





レイさんの柔らかい眼差し





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