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すきってきもち

第1章 デアイ





理性?なにそれ?そんなの知らない
そうとぼけてしまいたい

けどさ、百合さんを傷付けるのは
怖がらせるのは俺が許せるわけないんだ




"やだ"の言葉
震えてて、涙をためた瞳

本当に嫌なら手を引かないといけないのに
頭ではこんなにしっかりと分かってるのに

知らない百合さんをもっと見たい、見せてほしい
そして、知りたい



俺の事でいっぱいになればいいのに


百合さんのせいで百合さんしか
考えられないんだよ?俺は

そんなのズルいじゃんか


こんなにこんなにこんなにこんなに
好きになっちゃった


左を向いて顔を合わせてくれない
それなら、、、

右の頬にそっとキス
もっと俺を意識してほしくて


ハッと顔を上げた


「れ、、さん?」




「俺、百合さんの"初めて"を全部欲しい」

「本当に嫌なら俺を押し退けて部屋から
出ていって、、、」


当然嫌われたくないし拒否なんてされたくないよ
でも、自分を抑えるのは
彼女の……百合さんの前だからこそしたくない



会って、俺の"僕"っていう仮面に
気づいて、ムリしないでって言ってくれたから

それだけ?って思われるかもしれないよ
俺があん時ものスゴく辛くて苦しくて……








「なん、、なんでレイさん、泣くの?」
細い指が頬に触れる

自分じゃ気付かなかった……


その瞬間、思った
自分がどれくらい百合さんを想ってるのか


「さっきも悲しい顔してたの?
私がいやって言ったから?ごめんね」
胸の下であたふたしてる彼女が
やっぱり可愛らしくて、手離したくなくて、


その手を掴んで
いとおしさを込めて指にキスを落とす
百合さんと合った目を捉えたまま

手の甲、手首、二の腕、肩、鎖骨
上に進むにつれ

どこに潜んでたか分からない
相手への愛情が底なしに溢れてくる


比例するように恐怖も襲ってくる




"歯止めがきかない"
警報が頭で鳴ってる

「百合さん、逃げてよ
嫌だって俺を拒否って、何するか分かんない」


そう言いつつキスは続く


本当に何するか分かんないよ?






なのに……________



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