テキストサイズ

すきってきもち

第1章 デアイ





「あ!ご、ごめ、ご、ごめんなさいっ」

生意気言ってしまった……
いい迷惑よね


申し訳なくて、俯く

彼と顔を合わせることもできなくて
帰ろうと決める

「本当にごめんなさい、帰ります」

バックとコートを手に立とうと「待てよ!」

「座って、、、」


腕を掴まれて、見つめられて、
逆らうことができず、従った


「おねーさん、もう少し俺といてよ」


「お酒も残ってるよ」

確かに半分も減ってない

「そ、そうですね」


「……」
「……」





「ね、おねーさんはさ、なんで男がダメなの?」

少しの沈黙を破ったのは彼だった

「ヘ!?あ、あ、うん、深い意味はないんだけれど……」

私の両親が共働きでお父さんが
よく家を空けていたこと

小学校の頃に、
異性から嫌がらせを受けたこと


それで、お母さんの薦めで
中高一貫の女子校に通っていて
専門学校でも男性がいなくて

余計、苦手になっていったことを説明したら
真剣に聞いてくれて何だか恥ずかしくなった

「じゃあ、付き合ったこともないの?」
「ええ、そう」

「この歳で経験がないなんて
引いちゃうよね、はは……」


苦し紛れで氷で薄くなった
カクテルを口に含む




ストーリーメニュー

TOPTOPへ