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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

K「トモ、また筋肉ついた?・・・鍛えてんのか。」



頭を預けてすぐオレの変化に気づいたみたいだ。



オレの源氏名を優しく呼びながら、くるんと身体の向きを変えて、話しかけてくるその姿は小動物みたいで可愛い。



O「ん。やっぱ殺し屋は基礎体力だってケンちゃんとノリユキさんが。」



殺し屋になる特訓をはじめて10年、ある会社の専属について8年。



銃の扱いももう手馴れたものだ。



それでもやっぱり、たまに力不足を感じることもあって、最近また筋トレをはじめた。



K「そっか。無理しすぎるなよ?いくら職業柄と言っても、自分が命落としたら意味ないし。」



カミヤマさんはオレの本当の職業を知ってる唯一のお客だ。



はじめて店に来てくれた時に、吃驚したんだよな。



こんなに優しく男娼を抱く人がいるのか、って。



女のコと違って生で中出ししても、妊娠しない。



しかも、ある程度身体も強い。



となると、激しく抱かれるのが常で。



ハァ?と声を上げそうになった鬼畜なプレイの提案は日常茶飯事。



まあ、先に『こういうプレイがしたい。』と言う客ならまだいい方だ。



一回抱いて、体力を奪ってから無理やりそういうプレイ(ほとんどレイプ)をされたのは一度や二度じゃない。



・・・まあ、そういう時はバカ高いオプション料金を踏んだくってやってる。



でも、カミヤマさんは違った。



はじめて店に来てくれた時から、オレを優しく扱ってくれた。



ちゃんと時間をかけて解してくれる客なんてこの人ぐらいだ。



しかも抱きながら、オレの体調まで気遣うという徹底ぶり。



ホンモノの紳士ってカミヤマさんみたいな人のことを言うんだと思う。



O「んふふ。優しいね。ありがとう。」



目を細めてお礼を言うと、彼の手がオレの腰に回った。



O「どしたの?笑 」



K「んー。トモがいるって確認?」



バカだ、この人。



でも、



それにときめいてるオレが一番バカだ。

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