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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

O「んはぁっ・・・、やっ、。」



ゆっくりとオレ自身をしごくその手。



オレを見つめる柔らかな瞳。



K「さとし、っ。さと、しっ・・・好きだ・・・。」



そんな単純な三文字。



客が娼夫に言っただけの言葉のはずなのに。



その三文字には、オレらの全てが詰め込まれていた。



幸せだった。



セックスの間だけは、心から、愛されている気がしたんだ。



O「オレもっ、おれも、っっ。だいす、き、だよっ、。」



そう言うと、苦しげに笑う彼。



・・・今、何を考えてるの?



オレを抱いてるのを後悔してる?



こんな虚しい商売してるオレに、呆れてる?



でもね、それでもいいんだよ。



オレには、貴方に『好きだ。』って言ってもらえるなら何だっていいんだ。



その言葉は、嘘じゃないはずだから。



そう、信じてるから。



K「智。後ろ、解すよ?」



O「ん。」



オレを扱う手を止めて、ベッドサイドのローションボトルを手にとる彼。



その中の液体は、とろりと妖艶に揺れて、その手に滴った。



そのまま、くちゅり、とオレの中に入ってくる暖かい指。



O「く、あっ・・・。」



何度やっても慣れないこの感覚。



腹の深くで感じる異物感。



K「ごめん、智。ちょっと我慢な。」



オレが眉をひそめたのを感じたのか、申し訳なさそうな声でカミヤマは言う。



でもね。



O「だい、じょぶ。全然ヘーキ。」



だから。だから。



O「も、もっと、欲し、い。」



多分オレの顔、真っ赤。



こんなの言ったの、初めてかもしれない。



そう思うと余計に恥ずかしくなってきて、腕で顔を隠した。



のに、それはカミヤマさんの手でいつもより乱暴にどかされてしまって。



怒らせたかな?



不安になって見上げると、オスの目をした彼がいて。



O「っ・・・!」



思わず息をのんだ。



あまりにも、かっこよかったから。



その甘く端正な顔に見とれていると、ぽってりした唇が動いた。



K「誘ったの、智だからな?」



O「へ。」



間抜けに声を上げたオレに、彼が覆い被さった。

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