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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

K「俺さ、トモと一緒で両親いないんだよ。・・・殺されたんだ。」



彼の口から出てきたのは、壮絶な過去だった。



O「・・・。」



自分の過去と照らし合わせて、胸が苦しくなる。



知ってるから。



自分の肉親の命が、他人に奪われる辛さを。



K「高校生の時に。・・・これもトモと一緒だな。両親は、ある会社のボディーガードだった。」



O「ぼでぃーがーど・・・。たしか、昔よくあった制度だよね。『幹部の盾』、だっけ。最近、めっきり聞かないけど。」



K「そう。ボディーガードはトモ達みたいな殺し屋とは違ってさ、特別命の危機に晒されることはない職業なんだよ。」



だから、油断してたんだろうね。と彼はなにに対してか嘲笑する。



K「うちの両親を含む、幹部全員が殺されたんだよ。」



一息おくと、また続けた。



K「トモの専属の社長・・・松岡に。」



O「・・・え。」







まつにぃ、に?







K「悪い・・・こんな話しされても迷惑だよな。やっぱりやめ、



O「やめないで。」



彼の言葉を遮って頼む。



O「お願い。最後まで聞かせて。」



どこかで信じてないオレがいた。



まつにぃのことは本当に信頼してるから。



そんなこと、しないだろって。



でも、まつにぃを信じることは、カミヤマさんの言葉を信じないってこと。



O「まつにぃが、なにしたの?」



今わかることは、オレがまつにぃについて何も知らないことと、今までくれたカミヤマさんの温もり。



オレは、どっちを信じればいい?



考えれば考えるほどわからなくなっていく。



K「アイツはさ、その同系列の会社の副社長だったんだ。だから、アイツが両親の会社に訪ねてきても、誰も警戒しなくて・・・。それをいいことに、銃を乱射した。」



乱射・・・。



K「アイツは、『オレの邪魔をするヤツは敵だ。』って言ったらしい。」



ただ、ただ、それだけの自己満足な理由でカミヤマさんの両親は殺されたと言う。

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