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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

K「・・・やっぱり、やめよう。こんな話、久々に会ってするもんじゃない。」



暫くの沈黙の後、ふっと窓の方を向いてしまったカミヤマさん。



まるで忘れろと言わんばかりに。



でも、オレは、



O「なんでそんな切り替えれんの?」



彼の話を聞いて、黙っていられなかった。



彼の言葉を無かったことにできなくて。



振り向いたカミヤマさんの目の涙に、心が乱れたんだ。



彼は涙を浮かべたまま、心の内をさらけ出す。



K「切り替えるしかっ、切り替えるしかなかったんだよ・・・。出来ることならトモみたいに、松岡を殺したかった・・・殺したかったけど、、でも!!俺には、何も手段がなかったんだ。」



片方の口角を上げてニヒルに笑うその顔とは裏腹に、瞳からはボロボロと水滴が溢れる。



そして、それはシーツに小さな池をつくっていった。



O「・・・カミヤマさん?」



オレの呼びかけに、微かに頭を上げた彼。



手を伸ばして、彼の頬に手を添える。



冷たくて陶器みたいになってしまった頬。



こんなにこの人を苦しめたのはなんだ?



誰だ?






オレの


大切な人を苦しめたのは




誰だ?





K「・・・トモ?」



不安気な彼に微笑むほどの余裕もない。



オレを今動かしているのは、ただ、



怒りと



悲しみと



憎しみ。



過去の自分に重ねているオレが居るのはわかってる。



彼の両親を殺した犯人をヤッたからといって、オレのとーちゃんとかーちゃんを殺したヤツへの復讐にはなんないのもわかってる。



それでも、愛しいこの人の心のトゲを取り除いてやりたいと思うのは、間違いじゃないはずだ。



O「カミヤマさん・・・。今からソイツのこと、必ず仕留めるから。」



K「・・・っ!!」



あーあ、そんな怯えないでよ。



拷問はどんな風にしようか。



古典的に皮剥ぎ、火炙り、水責め。



なんなら鉄の処女を作ったっていい。



なんとしてでも、彼の両親が味わった以上の苦しみを、まつにぃに与えよう。



そう決心するオレは、全くカミヤマさんのことは眼中になかった。



熱くなるオレを見て、口角を上げた彼に気づかなかったんだ。

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