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KIND KILLAR

第7章 What you see in your eyes

K「と、も・・・。」



びっくりして目を丸くする彼がそこにいた。



立派な椅子に深く腰掛けて、メガネをつけてパソコンを開くその姿は、大会社の重役そのものだった。



くるりとその部屋を見渡すと。



O「・・・。」



やっぱり、というかなんというか。



彼のデスクの端には、幸せそうに笑う家族写真が置いてあった。



綺麗な奥さんと肩を組んで笑うカミヤマさん。



その足元には、可愛らしい女の子の姿もあった。



K「ちが、違うんだ!トモ!!そのっ・・・!!」



オレの視線に気づいて、オロオロと言い訳をしようとする彼。



その姿に反吐が出そうだった。



O「何が違うの。」



そう吐き捨てると、びくりと肩を縮められる。



ああオレ、怒ってるんだ。



しかも、今までにないくらい。



憎むほど、彼を愛していたってことだろう。



でも、いくら愛しても、無駄だったってことだね。



貴方には、オレなんかよりよっぽど大事なものがあったってことだ。



O「なあ。」



K「・・・っ!!」



すうっと彼の方に手を伸ばすと、明らかに緊張した面持ちになった。



さっきまで絡まり合ってたのにどのツラ下げてんだよ。



そのままネクタイを机越しに掴むと、ぐいと引っ張る。



K「う、ぇっ!!」



ケホケホと苦しそうに咳をする彼の顔に、自分のそれをスレスレまで近づける。



O「どっちがいい?」



K「へ、」



O「家族を殺されるのと、自分を殺されるの。」



K「!!」



驚愕した間抜け面に、ハッと嘲笑を浴びせて。



ネクタイをつかんだ手を放して、彼を椅子に叩き付けた。



O「冗談だよ。オレはオマエと違って、自分の目的に関係のない人に手はかけない。」



そうアンタには、一択しか残ってないよ。



O「死んでもらおうか。」



K「・・・!!!」



目を見開く彼に見せつけるように、銃を取り出すと。



現実味を帯びた鈍く光るソイツを見て、唇をわななかせ始めた。



K「トモ・・・っっ!!悪かった!!悪かったから!!やめてくれ!!」



・・・へぇ。セックスの時だけじゃなくて、命乞いでも謝るんだね。



憎い顔に銃口を向けて、かちゃり、と引き金を引いた。

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