
KIND KILLAR
第8章 wake up from a dream
N「ふぅん。んで、説明できずじまいで、翔さんは誤解したまま、と。」
ちゃっかりオレの(翔くんのお下がりの)ジャージに着替えたにの。
ソファでクッションをイジイジしながら相談に乗ってくれる。
O「そーなんだよ…帰ってこねぇし…。」
はぁ、と考えるだけで憂鬱になって、にのの持つクッションをぽす、と殴る。
せっかく相葉ちゃんや、にの、松潤や翔くんがくれた大切な居場所。
それを自分で壊すことになるなんて。
N「まあ、翔さんは好きだってことバレてないと思ってるんでしょ?そりゃ、顔も合わせずらくなるよ。」
O「だよ、なぁ………。」
はぁ、と また ため息をつく。
N「てゆーかさ。」
O「ん?」
アレ?って顔で、にのは、
N「なんでアンタはキスしたの?」
クッションをオレに、ぽいっと投げつけて、そう聞いてきた。
??
O「いや、だからさ、」
N「いや、分かってますよ。昔の仕事、こんなんだったんだよ、って教えようとしたんでしょ?」
O「なんだ、わかってんじゃん。」
投げつけられたクッションを、胸に閉じ込める。
N「いや、口で言えばいいことでしょ。そんなもん。わざわざ自分から傷口に塩塗るようなマネしてるし。」
あれれ?
N「つーか、翔さんが自分のことちょっと好きって思ってるのわかってて、んなことするなんて、大野さんそんな性格悪かったっけ?」
O「ちがっ!!そんなこと思ってねぇよっ!!」
そんな酷いこと、思ってない!!
……でも、確かにそうだ。
翔くんからしたら、すげぇ拷問だよな…。
しかも熱も出てたっていうのに…。
今さら自分のした事の酷さに気づいて、胸が苦しくなって強くクッションを抱きしめた。
O「どうしよ、にの。オレ、マジで最低…。でも、さ。……なんでなんだろ…なんか、キスしなきゃ、って思ったんだよ…あの時は……。」
そう言うと、にのは目をくりん、とさせてから、にこっ、と口元に人差し指を近づけて、
N「なるほどね、オレ、なんでかわかっちゃった♡」
ウインクをキメてきやがった。
