
KIND KILLAR
第8章 wake up from a dream
N「ちょ、大野さんのばか!」
O「は!?オレ!?」
にのが、きゃんきゃん言いながら、翔くんを追いかけて行った。
………なんなんだよ。
どうしようもなくて、リビングから出てみると、そこには翔くんが1人で立っていた。
O「……にのは?」
S「帰ったよ。それより、なに。話って。」
O「話……?」
その瞬間、ピコン、とメッセージの着信音。
翔くんに「ごめん。」と断って、見ると、にのからだった。
『ごめんね。2人で話した方がいいと思ったから帰るね。
翔くんだったらきっと受け入れてくれるから、話した方がいいと思う。
翔くん、すごい悩んでるみたいだよ。
お節介かもしれないけど。とにかく2人で話して。じゃあね。』
結局オレがなんで翔くんに襲いかかったのかは、教えてくれないままじゃん。
O「マジかぁ……」
ふぅ…と悩んでいると、
S「ニノ、なんて?」
そう言って、翔くんがいきなり顔を寄せてきた。
O「っ……/// 」
その上目遣いで小首を傾げられた翔くんを見た瞬間、なぜか胸がトクン、となって。
それを悟られないように、
O「なんでも、ないっ!!」
そう、そっぽを向いた。
すると、また眉をひそめて泣きそうな顔になる翔くん。
………そんな顔しないでよ。
たしかに、にのの言う通りだ。
言わないことが彼を傷つけない術だと思ってたのは間違いだったのかもしれない。
O「翔くん。」
S「うん?」
真剣に頷いてくれる翔くんに、すこし、緊張がほぐれた。
O「オレ、ね。」
ほ、と一息置いてから、
O「昔、娼夫、だったんだ。」
そう、告白した。
