
KIND KILLAR
第9章 Love me gently?
N「は?」
潤に言ったはずなのに、いち早く反応したのはニノだった。
A「う、ええええええっっっ!!どうしたの!?しょーちゃん!!!熱、治ってない!?」
そのニノの不機嫌そうな「は?」に続けて聞こえたのは、雅紀の叫び声。
そして。
J「バカにしてんの?」
と、潤の怒った声が聞こえた。
S「馬鹿になんてしてねぇよ。ただ、普通に恋愛したくなっただけ。」
そう怒るなよー、とヘラヘラ笑うと。
J「俺は、そんな翔さん見たくなかった。」
かけていたサングラス越しでもわかるくらい、鋭い眼光が俺を射抜いた。
いつもの俺なら屈したのかもしれないけど。
ここで折れるわけにはいかない。
俺が智くんを苦しめるハメになるのは、絶対に、絶対に、絶対に嫌だから。
無心になって、
心がキシキシ痛むのに、気づかないフリをして、
S「潤が無理なら雅紀かニノか………智くんでもいーや。紹介してよ。」
ゆっくりとその名前を並べた。
ピキ。とその場の空気が凍ったのがわかる。
誰も、何も言わなかった。
そして、
O「なん、で?」
ぽつん、と浮かんだ言葉。
小さくて小さくて。
エンジン音にかき消されそうなそれは。
俺の心を深くえぐった。
なんで、って……なんでそんなこと言うかな?
S「やっぱり、女のコは巨乳に限るよなぁ。」
俺の想いは、貴方にとって負担でしかないんだろ?
そして、この愛情が貴方から返ってくることは ないんだろ?
S「イイ声で喘ぐ子がいいな。」
そんな悲痛そうな顔しないでよ。
唇を噛み締めないでよ。
期待するじゃん。
もしかして、貴方も俺のことを…って。
S「頼むよー、最近、ヤリたくてたまんなくてさぁ。」
A「翔ちゃん!!」
S「んでさぁ!」
雅紀の静止も聞こえないフリして続けると。
N「翔さん。」
静かにニノの声が響いた。
いつものクセで思わず黙り込むと、雅紀がそれに続いた。
A「ねぇ、リーダーのこと見て?翔ちゃんの言葉で……ことばで……。」
俺の右隣の小さな殺し屋は。
ただ静かに、静かに。
ビー玉みたいな涙を零していた。
