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KIND KILLAR

第9章 Love me gently?


S「ふ、はははっっ。やっぱり、貴方ってちょっとずれてるね。」



O「え?」



違うの?ってきょとんとして、俺を見つめる智くん。



そして、俺が笑うのにつられたように、ふにゃふにゃ笑いだした。



そのあどけなくて、可愛くて、大好きな笑顔を見て。



なにかが吹っ切れた気がした。



きっとこの人なら、俺が傷つけたと思ってたことも。



独特の見方で、笑い飛ばしてくれんだろうって。



S「貴方を傷つけないために、言ったのは正解。」



答え合わせみたいに、ゆっくり核心に近づく。



O「やっぱり!!・・・・・・じゃあ、何が違うの??」



きら、と一瞬瞳を煌めかせた後。



心底不思議そうな澄んだ瞳が、俺を食い入るように見つめる。



なんて言えばいいんだろ。



S「貴方に、貴方が一番疎ましく思う気持ちを抱いちゃったんだ。」



そう小難しく言葉を紡いでみたけど。



O「・・・・・・??ごめんオレ馬鹿だからわかんない。」



貴方の純粋さが、俺の中にすとんと落ちてきた。



・・・たしかに、こんな難しい言葉はいらないね。



そう思ったと同時に、



S「智くん。貴方が好きだよ。」



O「・・・!!」



飾り気のない告白が口をついた。



・・・あ、固まってる。



やっぱり、嫌なことを思い出させたかな。



さすがに、笑いとばせねぇ?



いや、そりゃそーだろ。



傷つけた、よな。



どんどん不安で胸が押しつぶされそうになって。



S「ごめん、やっぱり忘れ、「ほんと?」



思わず、情けなくも告白取り消しを申請しそうになったその時。



うつむきがちに、少し声を震わせて、彼が呟く。



S「あ、うん。」



智くんが、受け入れようとしてくれているんだ。



取り消し申請を飲み込んで、おそるおそる頷いた。

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