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KIND KILLAR

第2章 I want to know you

「さ・・・としっ、かあさんを連れて逃げろ!」



親父が叫んだ時、オレはオトコの手に光る、銀のナイフを目にした。



赤黒い血がついたナイフを。



そして、ようやくオレは、状況を理解する。



とーちゃんが、刺された。



O「っ・・・とーちゃ・・・。」



見捨てることなんかできない。



あんなので刺されたまま、ほっといたら死んじゃう。



家も、故郷も、ねーちゃんも、翔くんも失った後に、とーちゃんまで失うなんてっ!



絶対に嫌だ!!



オレがとーちゃんに駆け寄ると同時に、それまでぼーっと立っていたオトコが、ふらりとかーちゃんに近づいた。



ヤバイ。かーちゃんは、ショックでさっきから固まってしまっている。



このままだとかーちゃんまで刺される。



O「おい!それ以上、かーちゃんに近づくなっ!!」



精一杯の声を張り上げた。



その声に反応して、オトコがちらりとこちらを向く。



O「っ・・・なんだよっ!どうせならオレを、オレを殺せよ・・・っ!」



そう続けたオレを嘲笑うように、オトコのナイフがかーちゃんに突き刺さった。

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