テキストサイズ

KIND KILLAR

第2章 I want to know you

『ねえ、にいちゃん。』



アメリカの裏路地。



オレは両親が死んだところで、いや、オレが両親を殺したところで、座り込んでいる。



死体は、ここに戻ってきた時には、なくなってしまっていた。



あの夜から、何日経ったんだろう。



もしかしたら1週間以上経ったのかもしれない。



今まで何をしていたのかも思い出せない。



どうやってここに戻ってきたのか、何を食べたのか、飲んだのか。



何も覚えてなくてただひたすらに無常観があるだけだった。



もうホームレスになってしまったオレの前に、1人のオトコが立ったんだ。



O「なんスか?」



久々に口を開いたからか、カサカサという声しかでない。



くそ・・・喉まで痛い。



そんな弱りきってるオレに



「お!日本人??いいねぇ。私もだよ。」



そう言って、オトコはバシバシと肩を叩いてきた。



案の定、身体がグワングワンと揺れるのを感じる。



やめろという意思も込めて睨んだのに、オトコは、全く気にしないように話し続けた。



「いやー、ガリガリだねぇ、にいちゃん。こんなとこにさぁ、ずーっと座ってんもんね?」



O「っ・・・ほっといてください。」



そうだ、ほっといてくれ。



オレは、2人を殺した罪を償うんだ。



ここで、このまま死ぬんだよ。



「ねぇ、にいちゃん。」



またオトコが口を開く。



「俺と仕事しよーよ。」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ