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KIND KILLAR

第4章 Robust you

O「しょお、くん。」



智くんが、また躊躇いがちに声をかけてくれる。



けど・・・。



S「ごめん・・・。先行ってて・・・?」



今は・・・まだ・・「なに考えてんの!?」



S「っ・・・!」



智くんが怒鳴った。



滅多に聞くことのできないそのハスキーな怒鳴り声が耳にワンワンと響く。



O「どーせ、翔くんのことだからあの2人に悪いことしたとか思ってるんでしょ!!」



図星です。



心の中で答えると、はあっ、とため息をつかれる。



O「あのね、翔くん。翔くんは賢いけどわかってない。」



S「・・・何が。」



そうむくれて答えると、智くんがぴょいっと後部座席に飛び込んできた。



S「あっぶないって!」



俺の小言も無視して、智くんは怒り続ける。



O「うるさい!翔くんだって知ってるでしょ?2人は何回も何回も、出会えてよかった、翔くんがいてくれてよかった、って!何度も何度も、言ってるの!!」



S「・・・。」



知ってるよ。知ってるけど・・・。



また智くんは怒鳴る。



O「2人が・・・っ!翔くんのこと責めるわけない!!」



S「ふふっ・・・。なんで智くんが泣いてんの。」



ポロポロと綺麗な貴方の目から涙が溢れだしたんだ。



O「ふっ・・・うぅっ・・・。だってっ。しょおくんが、自分のことばっか責めるからっ・・・。」



S「うん。」



泣きじゃくる君の言葉をひとつひとつ拾い集める。



O「おれは・・・っ、しょおくんのこと大好きなのにっ・・。しょおくんは、いつもっ・・・いつも自分のこと、よくない風に言うからっ・・・!」



S「うん・・・。ごめんね。」



ぐしぐしと涙を拭くと、きっと俺を睨みつけてくる。



ふふ。泣くと昔の甘えたな智くんに戻ってるみたいだな。



いつも貴方のその優しさに助けられてたよ?



だからさ。



S「ありがとう。」



精一杯の笑顔で伝える。



O「・・・ん。オレ・・・頼んないかもしんないけど・・・っ、いつでも頼ってね。」



その言葉が俺の心に残ったから。



ニノに相談された時に、一番に智くんを頼ってしまったんだ。

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