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KIND KILLAR

第4章 Robust you

N「だよねー笑」



そうは笑いつつも、ニノの心配そうな顔は変わらない。



道理でさっき突っかかった訳だ。



恋人が、狙われていると知って冷静でいられるわけがない。



いくら理由が、カツラだと言っても。



カツラで・・・銃撃か。



荒れた世の中になったもんだ。



どうすっかなー。



まあ、雅紀に依頼するわけにも、いかないし。



ふと、さっき車で智くんにかけられた言葉を思い出す。



『オレ・・・頼んないかもしんないけど・・・っ、いつでも頼って?』



そうだ。俺には、智くんがいるんだ。



それを思って、ニノに笑いかける。



S「わかった。とりあえず、智くんに相談してみるわ。」



それを聞くと、ほっ、と息を吐くニノ。



N「・・・ありがと。ちょっとビビっちゃって・・・ごめんね?大野さんによろしく伝えて?」



S「いや。いろいろと、ごめんな。」



謝んないでよ。と口元を緩めると近寄ってきたニノ。



ん?と目で尋ねると、きゅっ、と控えめに俺の身体に腕が回された。



そのまま上目遣いで俺を見る。



ツンデレ姫の急なデレの発動ですか。



ワタクシ、心臓もちません。



固まる俺の耳にニノが囁きかける。



N「俺は、翔さんに、大野さんに、潤くんに・・・相葉さんに、出会えて本当によかったよ。翔さんがいたから、今の俺がある。」



S「っ・・・。」



ニノにはお見通しってわけか。



俺の自問自答も。



まあこの機会に任せて普段は言えないことも伝えよう。



俺より華奢で小さい身体を抱きしめると、声を掠れさせながら伝える。



・・・やべ、なんか泣きそ。



S「俺も、ニノに会えてよかった。ニノの優しさに何度救われたか。・・・これからもよろしくな。」



わりと真面目に語ったのに腕の中のかたまりはくすくすと笑い始めた。



N「はぁーあ。なんかしんみりしちゃったね。じゃあ、俺、戻るから。」



S「はあ!?このしんみりムードはどこいった!!」



N「うるっさいなぁー!相葉さんに怒られちゃうもん。」



ベッドじゃ怖いから、あの人。と小さく付け加えて、するり、と腕から抜けるとひらひらと手を振って退室するニノ。



・・・最後の聴きたくなかった。

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