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KIND KILLAR

第4章 Robust you

N「あーばさ・・・ん?どこいくの・・・?」



M「んー、まあ、過ぎたことを言ってもしょうがないしね。とりあえず、様子見てくる。ニノはここで待ってて?」



そうだ。その通りだ。



ニノに囁いて、走りだした雅紀を見て、ようやく気がつく。



俺は智くんを連れ戻さなきゃいけない。



大切なあの人を、また失うなんて嫌だ。



高校の時、いつも通りに登校して。



ふと彼の席を見た時に感じた胸騒ぎ。



担任がホームルームで俺らに告げた言葉で、それが虫の知らせだったとわかったあの時の喪失感が、再び戻ってきた気がして、慌てて上着を掴む。



N「ちょっ・・・!!翔さんまで!?」



ニノがまた泣きそうな顔をしているのはわかったけど。



S「悪りぃ・・・やっぱ俺、行かなきゃ!」



俺にとって智くんはものすごく大切なんだ。



閉まりかけのドアに向かって走りながら、ニノに叫ぶ。



S「会社は頼んだぞ!!」



それでニノは、はっと現実に引き戻されたみたいだ。



ぐいっと目元を拭うといつものしっかり者の秘書に戻った。



N「これだけ約束して。2人とも、無理しないで!」



後ろからニノの心配そうな声が届いたけど。



後先考えて無茶できっかよ。



ごめん、ニノ。



多分俺、無茶する。



ただひたすらに足を動かした。

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