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KIND KILLAR

第4章 Robust you

って。ちがうちがう。



S「GPSぅー!?聞いてねぇけど!!」



A「え?そうなの?翔ちゃんにも付いてるよ?」



S「マジかよ。」



二宮和也、恐るべし。



もう会社乗っ取られるんじゃねぇかと怖くなる。



寒気を感じている俺の横で拳銃に弾を込め終えた雅紀が潤に尋ねた。



A「たしかリーダーが今いるコンテナってさ、結構暗いとこにあって、危ない感じのとこでしょ?」



その言葉を聞いて眉をひそめる潤。



J「うん。そうだね。早く行かないと、ヤバイかも。暗くて何も見えなくなりそう。」



生憎、雨も降りそうだし。と潤はくしゃりと前髪をかきあげる。



窓から空を見上げると、どんよりと厚い雲が覆っている。



あの人が急に学校に来なくなったあの日もこんな天気だった・・・。



心配で胸が締め付けられる。



S「なあ。智くん、無事かな。」



あなたは今ごろ、1人で闘いながら、この空の下にいるんだろうか。



いたぶられていないだろうか。



もう、会えない。なんてことはないよな。



そう信じたくても、どうしても不安は拭えない。



また・・・また、あなたを失うんだろうか。



震える俺の手をなにか温かいものが包む。



そっちを見ると優しく手を握ってくれる雅紀と、バックミラー越しに頷く潤が見えた。



A「大丈夫だよ、翔ちゃん。オレも、松潤も、にのちゃんもいるし!!」



こんな心強い仲間がいる。



大丈夫、と自分に言い聞かせているにもかかわらず、俺の目と空からは同時にぽつぽつと雫が落ちてきた。

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