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KIND KILLAR

第4章 Robust you

A「翔ちゃん、こっち。・・・音がする。」



S「いやいやいや聞こえねぇよ・・・。」



軽く二十は超えるコンテナの前で、雅紀がかすかに物音のするというコンテナに近づく。



S「まじか・・・。」



たしかに扉の前に立ってみると、人のボソボソした話し声や金属音がハッキリと聞こえた。



さて、どうしようか。



様子を見るにも、コンテナの扉はいかにも古そうで、開けると軋んで確実にバレる。



かと言ってこの金属音。



もし、智くんが痛ぶられている音なら・・・?



想像したくはないけど、鬼気迫った状況なのは確かだ。



雅紀もそう判断したんだろう。



突撃しよう、と小さく呟いた。



A「翔ちゃんはあっちにまわって。オレが、煙玉投げ入れたら、3秒数えて突入だよ。」



スコープと、念のため、と渡された煙玉と爆竹をポケットに入れる。



A「翔ちゃんの仕事は、リーダーを助けることと、ここから無事に逃げること。オレはどうにかするから、とにかく自分とリーダーのことだけ考えて。」



いつになく真剣な雅紀の表情に気圧される。



S「ありがとう。でも・・・ニノのためにも死ぬなよ。」



それを聞いた雅紀は、ふっと口の端を歪めると、先に死んだらニノに殺される、と笑った。



たしかに。



S「アイツならやりかねねぇな笑」



A「だからさ・・・ぜっったいリーダー助けて、生きて、にのちゃんのとこに帰るよ。」



S「ああ。」



まっすぐな雅紀の瞳を見つめ、しっかりと頷きあうと、雅紀がふいに懐からナイフを取り出した。



A「これ翔ちゃん持っといて?」



いやいやいや、俺の戦闘能力知ってるよな?



S「雅紀が使えよ。」



俺みたいな運動オンチにはなんの役にも立たないんだよ。



そう自虐しても雅紀は譲らない。



A「いいから!」



S「わかったわかった。」



なんたってミラクル相葉のカンだ。



外れることはないだろう。



ナイフを手に、ジリジリと雅紀から遠ざかる。



そして扉の左右に二手に分かれたと同時に勢いよくドアを開ける。



「うわっ!なんだ、これ!くそっ!襲撃だ!」



雅紀が煙玉を容赦なく投げ入れてからきっちり3秒。



スコープをつけて、コンテナに突入した。

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