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KIND KILLAR

第4章 Robust you

O「あと1人。・・・来いよ。」



「言われなくても行ってやる!」



そう啖呵を切ったのは1人だけ銃弾を避けて生き残った男。



ばっと前に飛び出すとナイフを片手に智くんに襲いかかる。



その動きは、他のやつと比べると明らかに・・・速い。



今まで智くんが闘ってたやつが雑魚に思える。



O「うわー。強そーじゃん。やだなあ。」



その刃先をのらりくらりと避けながらも、合間に男の腹に鉄拳を打ち込むこの人は、やる気ってモノが感じられなくて。



いやいやいや!がんばってよ、そこは!



俺の必死のツッコミも虚しく宙に消えた。



・・・まあ、それでも強ぇんだけど。



どれだけ男がナイフを突き出しても無駄で、その先には空気しかない。



明らかに疲れていく男。



それと反して涼しい顔の智くん。



男もイライラし出して智くんに怒鳴りかかった。



「おい!おまえ、本気だせよ!?おまえみたいなやつが一番うぜーんだよ!」



だよなー。わかるわかる。



天才って見てると情けなくなるよなー。



じゃなくて。



S「智くん、本気で!ね!!」



そう声を出すと、逆効果だったらしい。



オトコの額に一本、青筋が増えた。



「なんだぁ、おまえ!?1人じゃなんもできねぇくせに。」



ひぃっ!



S「ごもっともです!ハイ!!」



「どいつもこいつもうぜーんだって!!死ね!!」



S「へ?」



そう吠えた男は、持っていたナイフの刃先を俺の方に向けた。



そして。



ひゅっ、と空を切ってそれは俺の方に飛んできた。

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