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KIND KILLAR

第4章 Robust you

S「ひええええええっ!!」



ぎゅっと目を瞑って、本日2度目。



死を覚悟したのに・・・。



あれ?痛くねぇ。



ふと視線を上げると、またまた智くんが前にいた。



俺に突き刺さるはずだったナイフを。





ナイフを




腰に差して。








S「・・・なんで?」



嘘だよな?



貴方が刺されるなんてそんなこと・・・。



でも立ち上がった瞬間、滴り落ちた液体は現実を俺に突きつける。



S「さと・・・っ!!」



怖くて声が出ない。



ヒューヒューと息が漏れるばかり。



あなたを失うと思うと、怖くて怖くて。



身体中が、震えている。



そんな俺を尻目にかけながら智くんはギロリと男をにらんだ。



O「おい・・・。おまえ翔くんに手ぇ・・・出した・・・な?」



「なんだよ!あいつがぼーっと突っ立ってるからっ・・・!」



血をダラダラ垂れ流しながらも、喋り続ける智くんに戸惑いながらも男が言い返した。



でも、そんなのこの人には通用しなくて。



O「オレは、手ェだすなって・・・言ったよな・・・?」



凍てつくような瞳で、ちらりと自分の身体に刺さったナイフを見やると、一気にそれを引き抜いた。



「オマエ・・・何するつもりだ・・・。」



明らかに常軌を逸した人間の行動に俺も、男も、息を飲む。



でも、はっと我に返って声をかけた。



S「智くん、動かないで!動いちゃダメ!!安静に・・・っ!」



失うわけには、いかないんだ。



お願いだから、言うことを聞いて・・・。



それでもこの人は、男の方を向いて戦闘態勢になった。



O「翔くんは、黙ってて。オレの雇い主を傷つけようとしたんだよ・・・?許せるわけねぇ・・・じゃん。」



覚悟しろよ。



そう言って、ぱっと地面を蹴った智くんは、次の一瞬には男の前にいて。



「なっ!」



目を見開くそいつの首をボキリとへし折った。


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