テキストサイズ

KIND KILLAR

第1章 First love

そう、だった。



悠長なことはしていられないはず、なのに。



S 「なんか智くんの顔見ると、殺されるわけねーって思っちゃうんだよな。」



O 「あはは。それ、よく言われる。『だからオマエは優秀なんだ』って。」



S 「優秀、なんだ?」



O 「どうなんだろ。一気に10人しか相手できないしね。」



10人の相手・・・?



無邪気な笑顔の智くんの物騒な話を聞いていると、俺の背中を冷や汗が伝っているのを感じた。



そんな俺を横目にかけて、少し唇を尖らせて智くんが呟く。



O 「でもなー・・・流石に翔くんだと、ヤりにくいなー。」



S 「ホントに、俺、殺されるんだよね。」



実感はゼロ。



それはこの人の柔らかい物腰や、言葉のせいかもしれない。



でもその手にはずっと拳銃が握られていて、それが俺に冷たい現実を突きつける。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ