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KIND KILLAR

第5章 What is this feeling?

なになになになになになに、怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!!!



オレと翔くんの距離は約5センチ。



女の子ならキャーキャー喜ぶシチュエーションでも、オレにとっては恐怖でしかない。



O「しょお・・・くん?」



少しオレより上にある彼の目から、出来る限り感情を汲み取ろうとするも・・・。



S「智くん?」



まぁるい瞳はただただ黒く光るばかりで。




O「・・・はぃ。」



恐る恐る返事をする。



S「・・・俺、頼りない?」



O「はい?」



そこには、いつも通り情けなく眉毛を下げる翔くんがいた。



それに少しホッとする。



O「うーん。オレは頼りにしてるよ?」



そう返すとキュッとシワがよる眉毛。



S「じゃあ、相談してよ。」



O「あ・・・。」



そういうことか。



翔くんは、自分が不甲斐ないからオレが必死に隠してるんだと思ってるのか。



O「ふふっ。」



S「え?」



愛おしくて我慢できなくて笑いが漏れてしまう。



O「違うよ?翔くんが頼りないとかじゃないの。オレが忙しい翔くんに迷惑かけたくないだけ。」



S「でも・・・。」



むううううっ、と唇を尖らせる翔くん。



O「大丈夫だってば。翔くん、生徒会役員選挙だってあるんでしょ?」



S「うっ・・・。」



痛いところをつかれた、という顔をする翔くん。



そのまま少し考えたんだろう。



S「わかった。何かあったら相談すること。絶対だよ?」



不服そうに言う。



O「うん。ありがとね?」



そう笑いかけると、ようやく離れてくれた。



S「じゃ、帰ろっか。」



O「ん。」



・・・それにしても翔くんいい匂いだな。



呑気にそんな事を考えて、嫌な思い出から逃げるように美術室から出た。

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