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KIND KILLAR

第6章 Repeat over and over.

N「なに他人事みたいな顔してんのよ。そもそも翔さんが大野さん泣かせたのが原因なんでしょ?」



S「は?なか、せ、た?俺が?智くんを?」



泣いてたっけ?智くん。



ってか俺、なんかしたっ・・・「あああああああああああ!!!!!!」



N「何よ、急に。」



そうだよ、俺!!



智くんの唇、奪っちゃったんだ!!



しかもその後謝りもしないで!



突き飛ばして、走って逃げ出したんだ。



自分のことばっか考えて・・・さいっあくだよ。



どんどん暗くなっていく俺に、ニノが軽く言葉をかけてくれた。



N「なにがあったの?話してみなよ。楽になるかもよ?」



S「ニノ・・・。」



バックミラー越しの頼もしいその顔を見て、腹をくくった。



S「俺、世界の敵だ。」







N「は?」



沈黙の間、約10秒。



N「あー、やっぱいい。聞いて損しそうだから言わなくていいや。」



S「なんだよ、ソレ!聞いてくれよ!!」



N「世界の敵だかなんだか知らないけどね。俺、翔さんと違って、そういう物騒な話は関わらないようにしたいの。」



S「俺だって関わりたくねぇよ!てかこの話は別に物騒とかじゃないから!」



N「じゃあなによ?」



疑わしそうに俺を見てくるニノに、内容を一部端折って伝える。



と同時に険しくなっていく顔。



S「ということでし、て。」



N「翔さん、ホンモノのダメ人間だね。」



話し合えた瞬間、蔑んだような瞳で言われた。



S「そこまでじゃねぇだろ!」



N「そこまでだよ!あの人の過去知っててやったわけでしょ?さいってー。」



カ、コ?



頭の上にはてなマークを浮かべる俺。



N「まさか、大野さんから聞いてないの?」



瞳をまんまるにして尋ねてくるニノ。



S「何?聞く、って。」



そう言うと、ハッと彼の目が泳いだ。



明らかに自分の発言を悔いている顔だ。



N「・・・俺の口からは言えない。でも、とにかく謝って。あの人にはもう一生そういうことしちゃダメ。わかった?」



S「あ、あ。」



一体、なんの話だろう。



このことが頭から離れなかった。

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