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KIND KILLAR

第6章 Repeat over and over.

S side



ガチャリ、と鍵が開いた音がした。



S「おかえり。」



もぞもぞとブランケットをかぶって、玄関に迎えに行くと、革靴を脱いでた智くんが目を見開いた。



O「ただいま・・・って翔くん!?どうしたの!?」



S「ごめん。ちょっと風邪ひいた、かも。」



いや、ちょっとじゃねぇな。



だいぶんひいた。



O「もぅ!あんな雨の中走るから!」



S「いてっ!」



首根っこを掴まれて、寝室に引っ張っていかれる。



そのままひょいと抱き上げられて、ベッドに優しく寝かせてくれた。



こんな雑い扱いを受けても、好きな人に心配されていると思うとおもわず頬が緩む。



O「何笑ってんの。」



S「なにもないよ?」



唇を尖らせて布団をかぶせてくれた智くん。



しょうがないなぁ、って顔に書いてあるのがわかる。



O「大人しく寝てなさい。ご飯は?食べた?」



S「食べた。ニノの手作りお粥。」



『あーばさんに会いたいのに。』とかなんとか言って、ブーたれながら作ってくれた。



まあ、その割にすっげぇ美味かったんだけど。



O「そっか。熱は?」



ピトリと綺麗な手を俺の額に当てて、眉をひそめる貴方。



O「あるじゃん。測った?」



S「測ってねぇ。測っちゃうと余計しんどくなるから。」



熱があると思うと、もっと体温が上がる体質なんだよな。



O「昔っからそうだったよね。明日になってもしんどかったらはからせるからね。無理矢理でも。」



S「こえぇって笑」



殺したら元も子もないねぇじゃんか。

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