テキストサイズ

KIND KILLAR

第6章 Repeat over and over.

それと同時に、ハッと現実に引き戻された俺。



目の前には、俺のせいでシャツも破られ、手首も動かせない智くん。



S「ご、ごめんっっ!!!智くん、痛い??ほんっとーにごめん!!!」



そう言いながら手首でぐしゃぐしゃになってる服をとった。



上半身裸体でぼぅっとベッドに座り込む智くんは、されるがまま。



さすがに見てられなくて、ブランケットでその身体を包むと、ピクリ、と反応した。



O「いいよ。翔くん、風邪なんだからあったかくしなきゃ。」



こんな時までこんなひどいことをした俺を気遣うのかよ・・・。



申し訳ない気持ちでいっぱいになる。



何も言えない俺に、智くんがまた口を開いた。



O「俺のことはいいから・・・。電話、ずっとなってるよ?仕事のことなら大変だから、でて?」



S「・・・ごめん。」



一言断って、スマホのディスプレイを見ると雅紀だった。



はぁ、とため息をひとつついて、画面をスライドした。



S「・・・はい?」



A「あ、しょーちゃん!?・・・大丈夫??にのちゃんが心配してるよ・・・え、だってすっごい心配してたじゃ、イッテぇ!!・・・そんな顔しても可愛いだけだか、イッテぇ!!やめてって・・・じゃなかった、しょーちゃん、大丈夫?」



・・・今すぐブチ切ってやりたいな。



会話の途中にデレた声が挟まるのは、おそらくニノと会話しているからだろう。



んで、しょーもないこといってクッションかなんかで殴られてんのか。



まあ、殴るって言ってもどうせイチャイチャのスパイス程度。



そんな心配の仕方でも嬉しいものだ。



しかもこの電話がなかったら、俺は智くんに何してた・・・?



それを思うと雅紀に感謝しきれなかった。



S「大丈夫だよ。ホント、さんきゅ。ニノもオマエのこと心配してたからな・・・可愛がってやれよ?」



最後、茶化して言うと、電話の向こうの熱が上がった。



A「え、そーなの、にのちゃん!?やっぱり可愛い、イッテぇ!!!・・・とにかくあったかくして寝てね?そっちもリーダー可愛がってあげなよ?笑 」



S「え・・・はぁっ!?」



A「チュー、見てたからね♡おやすみー!」



プツリと切れた電話。



・・・嘘だろ。



恥ずかしくて死ねる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ