今日も明日も 2nd season
第31章 罪 *赤×青*
まるで蛇のような、絡み付く視線
俺は思い切り冷めた目で、それに対峙した
こいつは何を考えてる?
そして智くんは、何故「彼女」だとはっきり言わない?
色々な思いが交錯する
だけどそこに答えはまだ見えない
ただ、この「彼女」だと言うこの女に
違和感しか抱かなかった
「あ、俺帰るとこだから……じゃあね」
何も言わない智くんに、わざと明るく言って
そして、二人の横を通りすぎようとした時
「助けて……」
俺にしか聞こえない位の小さな声で
智くんが確かにそう、呟いた
振り返ってみても、見えるのは二人の背中
空耳かとも思ったけど
あの女の違和感と
智くんの表情からして
それは空耳なんかじゃないと、確信を持った
だけど
一体何から助けるのか
俺は何をしたら良いのか
ヒントすらない状況に、ただ戸惑う事しか出来なかった
一番考えられるのは
『何かしらの弱みを握られている』事
とりあえずは、夜にでも智くんに連絡をしてみるしか、俺に出来る事はなかった
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