笑い、滴り、装い、眠る。
第7章 雨の日は家にいて
翔「ここはちょっと狭いね?」
よっこらしょ、と翔くんは僕を抱き上げた。
「あ…あの翔くん…?」
翔くんを制するように、翔くんのシャツを摘まんだ。
「その…別にここでも…」
翔「でも痛いでしょ?狭いし?」
「でも、ベッドは…」
ベッドで「カズくん」を何度も抱いてるでしょ?
だから…
会ったこともない、彼の恋人に嫉妬する。
彼らの仲に横槍を入れようとしているクセに。
翔「…分かった。」
ニコッと笑って、僕を元通りソファーに横たえた。
翔「やっぱ、狭い。」
「そう?僕はソファーでも全然寝られるけど?」
翔「俺は無理。でも、あなたがそう言うんなら。」
って言いながら、唇に急に降りてきたキスを受け止める。
でも、何かに気づいて翔くんは真顔で僕を見下ろした。
翔「ごめん…そうだよね?やっぱ嫌だよね?」
二人で顔を見合せ、固い表情を浮かべ笑う。
逆だったら多分「カズくん」も嫌がるだろう。
それは何も「カズくん」に限ったことじゃない。
嫌がるどころか、
どこだったとしても、行為自体許されないのだから。
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