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笑い、滴り、装い、眠る。

第7章 雨の日は家にいて



「翔くんは座ってていいよ?翔くんの分も持ってくるし?」


翔「分かってないなあ…」



僕の後をついてきた翔くんは、



ドリンクコーナーで然り気無く僕の肩に手を置いた。



翔「ちょっとの間でも離れていたくないんだよね?」



ボソッと耳元で囁くと、鼻唄を歌いながらカップにカフェラテを注ぎ入れていた。



その横顔に見入っていると、翔くんと目が合った。



翔「ん?何?俺の顔に何かついてる?」


「え?あ、ううん?別に?」


翔「何だ…見とれてるとかじゃないのか…」


「ふふっ。がっかりした?」


翔「ちょっと…」



二人、並んで歩くように席に戻る。



本当は、ドキドキするようなことを言ったりしたりする君から目が離せなくてずっと見てました、って、言い出せなかっただけなんだけど…。



翔「今日はこのあと仕事するよね?」



二人で窓の外を眺めながら互いにカップを口にする。



「ううん。今日はもうあれで終わり。」


翔「え?注文入ったんでしょ?」


「ちょっと特殊な材料使うから。それが揃わないと始められないんだ。」


翔「そうなんだ…じゃあ、さ…」



翔くんの手が、テーブルに置かれた僕の手の上に重なる。



翔「さっきの続き、する?」



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